台湾サーカスフェスティバル Future Circus Lab の話。

あらすじ / Summary 


 2017年12月に、台湾で行われたFuture Circus Labという、現代サーカスのフェスティバルに参加しました。参加したのは、筆者の青木(Naoya)と、藤本くん(Kouki)。 いったいなぜ台湾に行くことになったのか、どのような経緯でこの演技が出来上がったのか、フェスティバルの簡易レポートと併せて、ふりかえります。
This is a review on the festival in Taiwan that we joined, called “Future Circus Lab” in December 2017. We (Naoya, Kouki) performed in the Openstage as well, as you can watch the performance below. Here is why we both ended up going to the festival together, and how we composed the show, along with my impression of the festival.



1 台湾に行くことを決める、そしてなんとか間にあわせる。

もともと私(Naoya)は主催者と縁があり、一人でも行くつもりでいました。ところがメンバーの藤本くんが、「行ってみたいかも」と興味を示したので、二人で一緒に台湾に行くことを決めます。  さらにオープステージ(公募によって集まり、審査を経て出ることができる舞台)に出るため、新しく二人用の演技を作ることも決心。 
 ただ、演技を作ると決めたのは10月下旬。フェスティバル12月だったので、およそ一ヶ月半前。  まるまる一ヶ月以上あるのならまだしも、そのとき私はシンガポール、韓国、沖縄とジャグリング関係の旅行で各地を飛び回っていたため、取れる時間は9日間だけでした。
 それでも、羽田空港からすぐに横浜に行ってミーティングをしたり、台湾までの一週間は毎晩終電近くまで練習をしたりして(寒かったなぁ)なんとか二人で行う演技が完成しました。


 プロセスとしては、とにかく早い決断が求められたので、まずは楽しくやれそうな音楽をいくつかチョイスして、即興でアイデアを出し合って、小道具も100円均一で買いつつ、ぱっぱと作っていきました。「本当にいいアイデアかどうか」をじっくりと吟味するような時間もなかったので、とにかく音楽に合わせて出てくる動きやギャグを次々に組んでいきます。
 ただ、一番最初の話し合いで「僕たちは他と比べて技術が卓越したジャグラーではないから、それ以外のことで何か台湾のコミュニティのためになるものを見せられるように努力しよう」ということだけは決めていました。そのため、ひとつの方向性はなんとか失わずに進めたように思います。
 途中まで作った、まるまる一つの演目を3日目くらいに捨てて、数多のアイデアのうちの「二人羽織風・パフォーマンス」を集中して構成することにしました。
 しかしその時点で、全てを一から作ると時間がないことは火を見るよりも明らか。なので残りは、今まで三人でやっていた演目を二人用に焼きなおすことにしました。



2 初めての台湾と何回目かの台湾


by Kouki

 なんとか荷造りも終え、必要な小道具も作って、当日の夜まで練習をして、深夜便で台湾へ飛びます。
 藤本くんは台湾、初体験。なので現地の友達と(台湾に来たことがないのに友達はいた)観光をしていました。筆者はというと、台北にはたくさん来たことがあったので、手頃なカフェを見つけて時間を過ごしていました。


   ディアボロのお店には一緒に行ったりして、台北に三日間滞在してから、いざ、会場である高雄に向かいます。

by Kouki

by Kouki

3 高雄の会場

高雄には3日間滞在しました。オープンステージで演技をする人たちにも宿が与えられます。しかも居心地のいい、なかなか素敵なホステルでした。高雄に滞在している間は、このガンダムのようなスタチューがあるホステルから、徒歩10分ほどの会場まで歩いて通うことになりました。

by Kouki
会場に着いたらまずは下見です。とてもおしゃれな公園で、港湾都市高雄の魅力が味わえる、気持ちのいいところでした。

by Kouki

by Kouki

 オープンステージのための設備は、中央の舞台を取り囲むようにして円形に観客が座れる空間のあるステージ。写真で見て確かめられる通り、よく開放された舞台です。開放されすぎていて、雨が降ったらどうするのだろうと思いましたが、さいわいにしてフェスティバル期間中雨に降られることはいちどもありませんでした。(寒かったけど。)

by Kouki

by Kouki


 他にもメインで使われる大きなステージ、自由に練習ができる区画、ワークショップ用の部屋など、盛りだくさんに設備が揃っていました。

by Kouki


 現地でできる準備は、実際の舞台上に立ってみて、幅と間合いを確認したり、何回か通してみて自信をつけるくらい。残った時間は控え室でデスクワークをしたり、会場の様子を見に行ったりして、有意義に過ごしていました。会場の中では、藤本くんは、写真や動画ばかり撮っていました。

by Kouki

by Kouki




 おかげでこの記事が華やかになりました。 
 毎食、台湾名物の弁当も提供されたので、食事どころを探し回る必要もなくて助かりました。

3 準備、いざ本番へ。

さて、いよいよ本番です。
 集まる人たちの顔ぶれを見ると、抱っこされた赤ちゃんから、高齢者の方まで、多種多様。
  司会者が観客に向かって出身地を尋ねると、地元・高雄の方だけではなく、台北、台中、台南、さらにはシンガポール、日本、など諸外国の方まで来ていました。(出演者の知り合いも多かったのですが。)
  ゲストで来たアーティストたちも観客席にいます。やはり少し緊張はしましたが、ふと脇に目をやると子供達が前の列にたくさん並んでいて、むしろ、よし、とにかくこの子らを笑わせてやろう、という気になってくるのでした。

by Kouki


 演技では、動画を見ていただいてもわかりますが、とてもお客さんの反応が明るく、演じる方もどんどん楽しくなっていく空気があって、とても面白かったです。

by Mai

by Mai

by Mai

 終演後には投げ銭タイムがありました。台湾では、日本に増してみなさん写真を撮るのが好きで、子供連れの方と写真を頼まれることが多かったです。こちらも、子供を抱っこしてみたり、お礼にステッカーをあげてみたり、最後までやりがいのあるステージでした。

by Mai

4 最後に

まだ結成して日も浅く、演技にも洗練させるべき課題はたくさんあるものの、こうして台湾の方々と、観光旅行では味わえない角度で触れ合うことができたのは何よりのよろこびでした。
  迎え入れてくれた星合有限公司(Hsingho co. ltd)のシンホーさん、ヨウルンさん、そして関係者の方々に、今一度お礼を申し上げます。

 謝謝星合,侑倫,和參與藝術節的所有工作人員們!

 2018年も、国内、国外を問わず、ジャグラーとしての在り方を、演技、ものの製作、そしてふれあいを通してして考えていこうと思います。  フェスティバルの大まかな概要については筆者のNaoyaが運営する媒体、PONTEのこの記事でもお読みになることができます。

オープンステージの出演者 by Mai



Text by Naoya (特に断りのない写真も Naoya)

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